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【大器晩成のシャンソン歌手、奥田晶子】 |
奥田晶子というシャンソン歌手を知っている人は、というより残念ながら今のところ、知らない人のほうが多いだろうことは想像に難くない。
しかし、シャンソン・ファンやシャンソンを勉強されている方で奥田晶子を聴いたことのない人は皆無ではなかろうか。
奥田の歌は、日本人の歌というより西洋人の歌い口、すなわち邦楽でなく洋楽なのである。先ず発声からして日本人のものではない。
深々としたアルトで響きの良い声質は、これまた西洋人そのものだ。
一つだけ日本的なものといえば、日本人としての豊かな感性、ハートの持主なのだ。
ここまで言うとお分かりだろう。彼女こそシャンソンを歌うために生れてきた申し子なのだ。
フランス語を理解する人が殆どいない日本では、シャンソンは通常日本語に訳されて歌われる。
詩の内容が特に重要な意味を持つシャンソンでは、日本語で歌う方が一般的でありメロディーと歌詞が一体となって胸に伝わる度合いが大きい。
奥田が故郷、広島を後にして、今はなきシャンソンの登竜門「銀巴里」の門を叩いたのは、1982年。
時の大スター、金子由香利さんに憧れて苦難の道に足を踏み入れた。
当時の彼女を知り、今も彼女をずっと見続けている方を多々存じているが、そういう私もその一人であるが、
奥田晶子がこれほど立派な歌手に成長するであろうと想像した人は恐らく誰一人いなかったのではないだろうか。
時には感動的な素晴らしい歌を聞かせてくれたかと思うと、素人でも分かるような荒削りの歌を披露することもあった。
しかし、音楽のスカウトマンにとって奥田晶子は磨かれざるダイヤモンドの原石そのものであった。時間はかかるだろう。
しかし、ビリー・ヴォーンやニニ・ロッソのように相手が亡くなるまで付き合ってしまう気長な私にとって、それはそれで楽しみが大きくなろうというものだ。
彼女のCDデビューは1992年、シャンソン界の大御所ピアニスト、岩間南平氏にアレンジを委嘱、同氏を伴いパリ録音をした時である。
このアルバムは「思い出の扉/奥田晶子」PRCD−1670として再発売され再び脚光を集めだした。
タイトル曲の「思い出の扉」は、フランスを代表するロック・シンガー、ジャン・ジャック・ゴールドマンの最大のヒット・ナンバー。
巣立って行く息子に語りかける父親の心情が切々と語られる惜別の歌であるが、奥田はそれを自分におきかえて、
父が親元を放れ自分の道を歩もうとする娘に別れを告げる詩として訳詞をしたのである。
まさに彼女の人生と重なった部分もあったのであろうが、名訳であり、訳詞家としての立派なデビュー作品でもあった。
話を少し戻そう。その頃から奥田晶子には、少数ではあるが影響力のある音楽評論家、オーディオ評論家の先生方から熱いまなざしが注がれていた。
今回はその中から音楽評論家、宮本 啓先生が昨年7月パリ祭の季節に因んで民音のホームページに執筆された「音の散歩:シャンソンを聴きませんか?」
の中からその一部をご紹介しよう。
“お薦めしたいライヴとCDとをそれぞれ一つずつ紹介しましょう。
まず、ライヴです。これは毎年この時期にパリ祭実行委員会と日本シャンソン協会が主催して行なっている『パリ祭』と題したステージ、今年で41回目になります。
今年は来る12日と13日にNHKホールで日本のシャンソンの歴史を作ってきた大ベテランから若手まで30名位が次々に出演して得意のシャンソンを歌います。
芦野宏、石井好子、高英男、菅原洋一、戸川昌子、
深緑夏代、山本リンダ、大木康子、田代美代子、青木裕史、
パトリック・ヌジェ… などのそうそうたる顔触れに黒柳徹子、美川憲一がゲストだそうで、お祭りにふさわしいステージになるのではないでしょうか。
CDの方は、このステージには出演しないようですが、地道な活動を続けてシャンソン歌手というより、
ヴォーカリストという紹介の方がよさそうにも思う奥田晶子の新アルバム『シバの女王』(DRCD-1680)です。
この人は早いもので、もう歌手生活20周年、レコード・デビューしてからでも11年たちました。
この間リリースしたアルバムはこれで6枚目、自分の好きな曲を1曲1曲じっくり歌っていてどのアルバムも存在感があります。
また中にはあのレイモン・ルフェーヴルと共演したものもあって、コマーシャルな一面も見せています。
また、以前この欄で書きましたが、たどたどしい(?)原語で歌うのではなく、
オール日本語詞によるシャンソンというのも僕が気に入る一つの理由です。
今回のアルバムでは「南フランスヘ」という自作自唱曲も披露しています。”
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歌手生活25年シャンソン歌手、奥田晶子が歌う青春の歌謡ポップス
誰もいない海
RELERSE : 2009年1月
DRCD-1691
定価 \2,500(税抜価格\2,381)
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待望の「ドリーム21」盤CD
【澄んだ泉のほとりで】
RELERSE : 2004年12月20日
PRCD-1690
定価 \2,500(税抜価格\2,381)
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歌手生活20周年を飾る
奥田晶子の最高傑作!
シバの女王
RELERSE : 2003年7月
DRCD-1680
定価 \2,500(税抜価格\2,381)
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衝撃のパリ録音デビュー・アルバム!
ニュー・マスタリング・ヴァージョン
思い出の扉
RELERSE : 2002年2月
PRCD-1670
定価 \2,500(税抜価格\2,381)
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21世紀とともに大きく羽ばたく、
孤高の歌姫、奥田晶子万全の自信作!
帰り来ぬ青春
RELERSE : 2001年1月
DRCD-1660
定価 \2,500(税抜価格\2,381)
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絶賛を博したアルバム「人生は過ぎゆく」
の余韻をよりモダンに、よりダイナミックに
スケールアップ!
愛する時
RELERSE :1998年9月
PRCD-1640
定価 \2,500(税抜価格\2,381)
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絶賛!
シャンソン・ファン必聴のベスト・セラー盤!
人生は過ぎゆく
RELERSE : 1997年12月
PRCD-1600
定価 \2,500(税抜価格\2,381)
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